集中治療医のStudy Melbourne

麻酔科系集中治療医が家族4人でオーストラリア・メルボルンへ博士課程留学!初めての海外研究生活、メルボルンライフの模様をお送りします!

奨学金について

今回は奨学金の話です。

皆さんご存知の通り、留学においてお金は死活問題です。


「お金を払ってでも留学する価値がある」と言う人もいますが、金欠状態で暮らしていくのは本人にとっても家族にとっても大変なことです。


ですから、留学前になるべく多く貯金をして、できるなら(返済不要の)奨学金を獲得して金銭的不安の少ない留学生活にしたいところです。

オーストラリアの大学院の学費

まず、大学や大学院の学費のシステムは国ごとに異なるので確認が必要です。


アメリカ留学においては、PhDの学生は学費負担はなくTA(ティーチングアシスタント)をして研究室から給料をもらうのが基本と聞きました。研究室がスポンサーという形になるので、なるべく日本の奨学金をもらっておくのが良いとか。(自分で調べていないので不正確な可能性あり、ごめんなさい。)


一方、オーストラリアの場合、大学院博士課程はトータルで1500-2000万円学費がかかります。もちろん生活費は別です。特に給与は出ません。

(上記は留学生international studentの場合。現地の学生は学費がかからないようです。)


修士課程(MPHなど)はきちんと調べていませんが、期間が短いのでその分安いとは思います。それでもおそらく1年300-400万程度の学費がかかるのではないかと思います。


なので余程お金に余裕がないと、奨学金なしでオーストラリアにPhD留学するのはほぼ不可能です。


私は今回、大学院からの奨学金(学費免除)と日本の財団からの奨学金を得ており、そのおかげでなんとか留学中の資金の目処が立ちました。

奨学金の種類

オーストラリア留学に使える奨学金は色々なサイトでまとめられていますので参考にしてください。
www.englishpedia.jpwww.iae-ryugaku.net

奨学金は大きくわけて、日本の奨学金と留学先の国の奨学金に分けられます。

日本の奨学金

日本の政府や機構、財団から拠出される奨学金です。


細かい応募資格は奨学金によって異なりますが、条件として以下の項目が含まれることが多いです。

  • 年齢:若いほど応募可能な奨学金の選択肢が増える
  • 行き先:アメリカやイギリスが圧倒的に充実
  • 留学目的:修士課程、博士課程、学部留学など あとは分野に縛りがあるものもある
  • 大学時代(最終学歴)の成績:JASSO(日本学生支援機構)は厳しい条件がある

また、他の奨学金と併給可能なもの、不可能なものがありますので注意が必要です。


留学先の大学(大学院)からの奨学金はOKだがその他の奨学金は併給不可というものもあります。


選考については別の記事で書きますが、書類選考→面接というのが多いです。


私(30代前半、留学先オーストラリア、博士課程、大学時代の成績は微妙)が応募条件を満たしたものはたった3つでした。


1つは書類選考で落ち、2つで合格を頂きましたが、併給不可のものがあり1つは辞退し、残りの1つを受給することになっています。

留学先の国の奨学金

オーストラリアでは各大学が国際留学生international studentに学費免除や生活費支援の奨学金を出しています。


大学院に出願時に自動的にapplyされることが多いですが、中には別途申請する必要があります。


基本的に年齢制限があることはないように思いますが、大学院の場合は最終学歴の成績、これまでの研究実績などが大きく選考に影響するようです。(詳細は別の記事に。)


またオーストラリアに関しては、政府からのエンデバー奨学金というものがありましたが、こちらは残念ながら年に終わってしまいました。
internationaleducation.gov.au

応募可能な奨学金には全部申し込もう

最初にも書きましたが、留学においてお金は死活問題です。完全な自費留学というのは現実的ではありません。


奨学金の細かい情報を調べたり、選考のための書類を準備したりするのは非常に大変ですが、応募資格があるものには全て応募しましょう


どの奨学金も競争率は高いですし、留学経験者の体験談を見ても全ての奨学金に合格した人はほとんどいません。


ですから、併給不可の奨学金であってもまずは申し込んで、運よく複数合格できたら一番条件の良いものを受給するということで良いのです。そこで気を遣う必要はありません。
(もちろん辞退する場合は真摯な対応が必要ですが…。)


ホームページ上に公開されている応募要件を自分が満たすか微妙だと思えば、電話かメールで問い合わせるのが良いでしょう。私もそうしてOKだったもの、要件を満たさないと言われたもの、どちらもありました。

最後に

いかがだったでしょうか。


奨学金、自分なんかがもらえるのか?」と思うかもしれませんが、調べてみると意外とたくさん種類があることが分かります。


確かに競争は激しいのですが、留学を目指す人自体が死ぬほど多いというわけではないので、宝くじ的な確率というほどではありません。複数の奨学金に申し込んで、ノーチャンスで全滅という話はあまり聞きませんので、とにかくチャレンジしてみる価値はあるでしょう。


繰り返しになりますが、


応募資格があるものには全て応募する


これが私が最も強調したいことです。


次回は「奨学金獲得のために」を書きたいと思います。