集中治療医のStudy Melbourne

麻酔科系集中治療医が家族4人でオーストラリア・メルボルンへ博士課程留学!初めての海外研究生活、メルボルンライフの模様をお送りします!

「いつか留学へ行きたい」人に伝えたい3つのこと

今回は、いつか留学へ行きたいと考えている人(主に医師)に伝えたいことを書こうと思います。

「いつか行きたい」では一生行けない。今すぐ動き出そう!

振り返って、「留学を目指すにあたり何が最も高いハードルだったか?」と聞かれたら「はじめの一歩を踏みだすこと」と答えます。
 
私の場合、以前からずっと「いつか留学に行きたい」と思っていましたし、年数を重ねて「専門医資格を取った後どうするか?」を考え始めてその思いは一層強まりました。ですが、具体的に何かをするわけではなく数年が過ぎてしまっていたのです。
 
多分、似たような状況の人はたくさんいると思います。
 
でも、それでは一生留学はできません!重い腰を上げて、勇気を出して、「今」はじめの一歩を踏み出しましょう!
 
「今月は学会発表の準備で…」「専門医試験が終わってからにしよう」「コロナが落ち着いたら」
後回しにする理由を探すのはとても簡単です。
 
でもそんなことをしていたらあっという間に時間が過ぎて、留学の機会を逃してしまいます。
以前にも書きましたが、留学の準備には2〜5年もかかるのです。(5年後あなたは何歳になっていますか?)
 
ちなみに私の場合は、職場の先輩の言葉が大きな転機となりました。
「いつか行きたいじゃ何も変わらん!今すぐ動け!今すぐ経験者にメールか電話しろ!」と言われ(正確には飲み会の席だったので「今日は酔っ払ってるからやめとけ、明日にしろ」でした)、本当に次の日に色んな人に相談の連絡をしました。
 
その先輩の言葉がなかったら一体どうなっていたんだろう?と今でも思います。

メリット・デメリットを考え過ぎてはいけない

将来に関する重大な選択をするとき、メリット・デメリットを天秤にかけて吟味するのは当然。
キャリアのこと、お金のこと、家族のこと。考えるべきことはたくさんあります。
 
でも、考えすぎてはいけません
 
というのも、少なくとも医師の場合、まともな人なら冷静に考えばデメリットが上回ると気が付くはずだからです。
 
留学に行けばその間給料は激減し、キャリアも中断されます。以前ほど留学経験自体が重宝されることはないし、逆に戻ってきたら居場所がなくなっているかもしれません。海外で臨床をやろうにも昔みたいに日本の医師免許があればOKという国は減っています。別に日本にいたって研究はできるし、オンラインで海外大学院に通うことだって可能です。コロナで海外渡航へのハードルも格段に上がっています。
 
そして何より、留学自体が成功に終わるかは全くの未知数です。手に入る情報の多くは「成功者」のものであって、その影に何倍もの「失敗者」(行かなければよかったと思っている人)がいるでしょう。
 
では、そうだとして、あなたは留学を諦めるのか?
 
それで心から納得できるなら全然アリだと思います。留学は単なる選択肢の1つにすぎないのです。
 
でももし、「やっぱり行きたい」と思うなら、考えすぎることをやめて留学を目指すことをオススメします。
 
イチローも引退会見で言っていました。
『成功すると思うからやってみたい、それができないと思うから行かない』という判断基準では、後悔を生むだろうなという風に思います。やりたいならやってみればいい。出来ると思うからいく、挑戦するのではなくて、やりたいと思えば、挑戦すればいい。その時に、どんな結果が出ようとも後悔はないと思うんですよね。
 
留学に行きたいと強く思うなら、その気持ちを大事にして、深く悩まずチャレンジしましょう!

自力だけでは実現できない。でもだからこそチャンスがある!

留学先にもよりますが、受け入れ審査や奨学金の獲得には、英語力はもちろん最終学歴の成績、研究実績が結構大事だったりします。
当然、こうした「自力」はあるに超したことはありません。
 
ですが、「自力」だけで留学先を確保するのは余程優れた人でないと難しいと思います。
逆にこれらが十分でなくても留学できている人は山ほどいます。
 
自分もそうです。準備期間の3年間で、想像しなかった出会いがたくさんありました(自分の世界の狭さに気づかされました)。幸運に助けられたことも、他人の支援がなければ乗り越えられないことも何度もありました。
 
そして、世の中には「挑戦する誰かに無償の支援をしてくれる人」がいるんだと知りました。
(これは本当に、本当にありがたいことで、自分もそうなりたいと思っています。)
 
留学には運やタイミング、出会いがとても重要な要素なのです。
 
何が言いたいかというと、「英語ができない」「研究実績がない」とかいう理由で留学をやる前から諦める必要は全くないということです。
 
留学を目指してアンテナを伸ばしていると思わぬチャンスが転がってきたり、救いの手が差し伸べられたりするものです。
 
人との出会いを大切にして、運やタイミングを逃さないよう、できる限りの準備をして待ちましょう!
(逆に一回ダメでも「今回は縁がなかった」と切り替えて次のチャンスを待つのが良いと思います。)

終わりに

以上が、私が「伝えたい3つのこと」です。
 
あくまで私は「留学は決まったけどまだ出発してない立場」なので、実際に留学に行ってみたら考えが変わるかもしれません。
 
むしろ留学終わりの自分がこの記事を見てどう思うのか、気になるところです。将来、それも記事にできればと思います。