集中治療医のStudy Melbourne

麻酔科系集中治療医が家族4人でオーストラリア・メルボルンへ博士課程留学!初めての海外研究生活、メルボルンライフの模様をお送りします!

英語に関する不安との向き合い方

前回までIELTSについて書いてきました。

幸いなことに、私の場合はIELTSのノルマクリアにかかった時間はそんなに長い方ではなかったと思います。


しかし私にも当然英語への不安があります。今回はそんな不安との向き合い方について、思うことを書きたいと思います。

ノルマをクリアした後、どうしたらいいのだろう?

多くの人にとって、とりあえずの目標はIELTSやTOEFLスコアのノルマをクリアすることになるわけですが、
ではそれを達成したとして、その後どうしたらいいのでしょう?


勉強をやめてしまっていいのか?もちろん、そんなことはありません。


留学に行くまでも、そして行ってからも英語の問題が消えることはありません。


英語が堪能なガイジンと何言ってるか分からないガイジンがいたら、前者にチャンスが多く回ってくるのは当たり前です。
(聴いたところによると中国やインドからの留学生はIELTS満点(9.0)の人も珍しくないとか...)


皆が研究内容に焦点を当てている中、自分だけ「英語がーー」となっていたら大きな遅れを取ってしまします。


だから「英語で苦労するから、できるだけ能力を上げてから留学した方が良い。」これは当然です。


しかし、言うは易し行うは難し、です。


社会人で留学を目指す人の多くは、働きながら、お金を貯めながら、貴重な空き時間を留学準備に充てるわけですから、その時間を英語学習に全振りすることなんてとてもできません。


この理想と現実のギャップで、どのように折り合いをつければいいのか?
どれぐらい頑張るべきなのか?
学習のモチベーションをどこに見出せばいいのか?


私自身もずいぶん悩んでいますが、徐々に自分の中で少し整理がついてきました。

英語の学習は終わりなき旅である

まず大前提として、英語の学習に終わりはありません。


はたから見たら英語ペラペラの人であっても、英語を母国語としない人は、どこまで行ってもネイティブとの差を感じることになるでしょう。


むしろレベルが高くなればなるほど、そのギャップに苦悩することになるようです。下の記事がとてもしっくりきます。
cardim.org


だから英語に不安を感じるのは至極当然です。どんなに勉強したってそれが消えることはないのです。


大事なことは、不安はそういうものとして受け入れれば良くて、必要以上に悲観的になる必要はないということです。

英語は手段であって目的ではない

とはいえ、「不安を全面的に受け入れて、何もしなくていい」ということではもちろんありません。

繰り返しになりますが、可能な限り英語力を上げていくべきです。


それは、社会人になって留学する多くの人にとって、留学の目的が「英語の上達」ではないからです。


日本を出て学びたいこと、体験したい仕事があって(多くの場合)英語圏の国に行くのです。


すなわち、英語「を」学びに行く、英語「で」学びに行く(仕事をしに行く)わけです。


これは絶対に忘れてはいけないポイントだと個人的には思います。

日本での学習には限界がある

一方で、効率という点では、日本にいながらの学習は実際に海外生活するのに比べて圧倒的に劣ります。


私はこのことを、IELTSのスピーキングを通して痛感しました。


別の記事にも書きましたが、私のスピーキングの自己ベストは、オーストラリア現地訪問(たった1週間)の直後に受けた回のものでした。


当時はスピーキング対策にかなり重点を当てて勉強していたのに、手応えも実際のスコアも、その1回が圧倒的でした。そして、少し時間が経つとすぐに元に戻ってしまい、以降の試験でもそのスコアを超えることはできませんでした。


考えてみれば当然といえば当然かもしれません。
1日30分程度のオンライン英会話と1−2時間の勉強で得られるものと、英語にまみれて海外生活で得られるものの差は歴然です。

達した結論は...

だいぶゴチャゴチャ書きましたが、私が達した結論は

  • 英語の悩みは一生消えないから受け入れる

  • ノルマ達成後に必要以上に英語学習に労力を割くのはもったいない、むしろ他のことに時間を使った方が良い(仕事や、留学に関する英語以外の準備、家族、日本でしかできないこと)

  • ただし全くやらないはナシ、無理のない範囲でいいから続けることが大事

現在留学開始が1ヶ月後に迫っていますが、ここ数ヶ月、英語の勉強にほとんど時間を割けていません。が、移動時間は音楽ではなく英語を聞く、医学に関する英語文献に触れるようにする、留学先の人とメールでやり取りをする、勤務先での米国人医師とのカンファ(週1)になるべく参加する、というぐらいのことを細々とやっています。


本当はもっとやりたいけど、優先順位をこれ以上上げるのは無理ですね。

1つ大きな問題が...

長くなりましたが、以上が最近私が考えていることです。


ただこれには一つ問題があって


留学開始後にどう思うか全くわからない


ということです。


所詮、留学出発前の浅ーい考えで、実際に留学が始まったら「もっと勉強しておくんだった…死」となるかもしれません。


でも、押し寄せる不安の中で心のバランスを保つために、悩みに悩んでたどり着いた答えがこれなので...見当違いでも許してください。


「留学前は何も分かってなかった」ということであれば、それもまた記事にしよう。そうしよう。