今回はオーストラリアの学生ビザの申請についてです。長くなったので目次をつけました。
あくまで私の体験談ですので、オーストラリア政府の一次情報も合わせてチェックするようにお願いします。
オーストラリアのビザについて
90日以内の滞在についてはETA(ETAS:イータス)を申請すればよく、これは数分で終わります。
それ以上の期間滞在する場合にはビザを申請する必要があります。
管理しているのはAustralian Government Department of Home Affairsです。日本語だと「内務省」。移民局と書いてあるものもありますが、一緒です。(以前はDepartment of Immigration and Border Protectionというのがあったが現在は内務省に吸収されたようです。)
ビザの種類については以下のページをご参照ください。
今回私が取得したのは、student visa (subclass 500)になります。
申請までの流れ
大学院留学の場合、ビザ申請までの大まかな流れは以下のようになります。
大学院からオファーを受けとる
↓
オファーをアクセプトする:学費の頭金やOSHC(保険)費用の支払いが必要
↓
正式な入学許可証(CoE)を得る
↓
ビザの申請をする
学生ビザの申請には大学院からの入学許可証CoEが必須です。しかもそれをビザ申請画面の序盤にアップロードするよう求められます(ないと次に進めない)。
そして入学許可証を得るには、学費の頭金(免除されていれば不要)、保険の費用(家族4人分で150万円ぐらい)の払い込みが必要です。OSHC(保険)については別記事で。
なので、「おっしゃー!合格通知(オファー)きた!ビザの申請時間かかるっていうし、25ページもあるみたいだからできるとこまで進めとこ♪」と思ってもあまり意味がありません(私のパターン)。ただし前もって準備しておける書類はあります。
申請から許可までにかかる時間
ビザのクラス毎に申請から許可までの目安の期間が提示されています。定期的に更新されるようです。
これを見ると相当不安になりますが、私が知っている5件ぐらいの中で長時間かかった人はおらず、いずれも1-2ヶ月以内に許可が下りています。
あとは日本という国の信用度の高さも影響しているのかなと思いました。(そんな記載をネットで見た気もしますが実際どうなんでしょう。)
私の場合はなんと3日でした!
コロナ禍で申請者があまりいなかったのと、ちょうど「コロナ禍で人が足りない!留学生はビザ申請費用免除するからどんどん来て!」というニュースが出る直前でしたので、許可が異常に早かったのかなと推察していますが、本当のところは分かりません。
家族について
今回は妻と子供2人を連れて行くので、合わせて申請します。ちなみに彼らは単独では長期のビザ申請要件を満たさないので、個別に申請することはできないと思われます。
求められる書類については後述します。
ビザの申請方法
申請はオンラインで行います。
ImmiAccountというところに登録をして進めていきます。
全部で25ページのwebフォームを埋めていきます。途中までやって保存しておくことが可能です。
全て入力し終わると、申請料の支払いをして、その後書類のアップロード画面が出てきます(どちらが先だったか忘れてしまいましたが、支払いが先だった気がします)。
ちなみに書類のアップロードについては申請をfinaliseした後でも追加することが可能です。
申請画面の具体的内容について、日本語で解説しているページも複数ありますので参考にしてください。
長くて疲れますが、割と質問は分かりやすいかなとは思いました。
私がつまづいたところをあげていきます。
Department office:韓国を選択
韓国 Koreaを選択します。(実際韓国に呼び出された話は聞いたことがありません)
どの程度正確に書く必要が分からず。パスポートや過去のカレンダーを見ても自信がなかったので、過去の渡航歴の開示請求をして、入力しました。手続きは郵送でできましたが、届くまで1ヶ月ぐらいかかりました。(→出入(帰)国記録に係る開示請求について | 出入国在留管理庁)
GTE:後述
GTE:Genuine temporary entrant requirement
簡単にいうと、「ビザ取得が一時滞在のためであることの証明」、つまりドサクサに紛れて永住しようとしていないことの証明(宣誓文?)のようです。(将来的に永住を狙っていたとしてもそんなことは書かない方がいいとか。)
こちらに詳しく要件が書かれています。
英語が多少つたなくても問題なく、求められたことを簡潔に書けば良いようです。
私が書いたのは、具体的には以下の内容です。
・日本で大学を卒業し医師(麻酔・集中治療を専門)として働いていたこと
・大学院でその領域の研究をするために渡豪すること
・メルボルンで研究を行うことの重要性
・終わったら日本に帰って働くこと
主申請者の場合は25ページの途中に入力画面が出てきます。2000文字(2000語ではない)以内です。最後の書類アップロードのところにも全く同じ文言のword文書をpdf化して添付しました。
同行する家族についても、書類アップロードのところにGTEについての言及がありますので、同様にword文書をpdf化したものを添付しました。
ただし、内容はあえて短く書きました。
妻:「夫の留学をサポートするために渡豪します。終わったら日本に帰ります。」
子供:「父の留学について行きます。該当する年齢になったら教育を受けます。終わったら日本に帰国します。」
といった感じです。
※同じくメルボルンの大学院に留学中の方のブログを参考にさせてもらいました。
最終ページで提出した書類
私:主申請者
- パスポートのスキャン
- GTE:pdf化したもの
- 医師免許(英文):英訳は大学院出願時に済み(厚生労働省に依頼)
- CV
- 過去・現在の職場の在籍証明書(英文):各職場に依頼
- 日本の大学の卒業証明書(英文)
- 戸籍謄本(原本・英文)
- 日本の銀行の残高証明(英文)
- 大学院の奨学金のオファーレター
- 日本の奨学金のcertificate(英文)
- OSHC(保険)の証明:払い込みが済んでしばらくすると保険会社から送られてくる
妻
- パスポートのスキャン
- GTE:word文書をpdfにしたもの
- 戸籍謄本(原本・英文):法的な婚姻関係/家族関係・改姓歴の証明として
- OSHC(保険)の証明
子供2人
- パスポートのスキャン
- GTE:word文書をpdfにしたもの
- 戸籍謄本(原本・英文):法的な婚姻関係/家族関係・改姓歴の証明として
- OSHC(保険)の証明
- Form 1229:未成年の子供では必要
戸籍謄本やOHSCの証明に関しては全く同じ書類を繰り返しアップロードしています。
提出しなかったもの
- 経歴証明書:なくても大丈夫と聞いて取得せず
- 健康診断:特に求められず
- IELTSスコア表:CoEにスコア書いてあったので
- 日本の大学の成績表
- 専門医資格の証明書、初期臨床研修修了の証明書
- 研究計画書
ちなみに今になってこんなのがあることに気がつきました。
準備に時間がかかりそうな書類:戸籍謄本など
実際のビザ申請手続きは入学許可証CoEを受け取った後になりますが、少し時間がかかるので前もって準備しておくとよいと思った書類は以下の4つです。
- 海外渡航履歴(ちゃんと記録している場合は不要)
- 戸籍謄本
- 過去・現在の職場の在籍証明書(英文)
- 銀行の残高証明
ちなみに戸籍謄本の英訳については、オーストラリア翻訳・通訳資格認定機関NAATIの翻訳である必要はないそうです。(オーストラリア国内から申請する場合はNAATIのものである必須とのこと。)
ということでネット検索で出てきた翻訳会社にお願いしました。スキャンを送ってpdfで受け取るまで2日、料金は1万円程度でした。
審査の結果の通知
ビザの審査の結果はメールで受け取りです。家族4人なので4通。メールの本文には結果は記載されておらず添付文書を開くと結果が分かります。
さすがに落ちることはないだろと思ってましたが、申請作業が結構大変だったので嬉しかったです。
最後に
以上、オーストラリアの学生ビザ申請の概要でした!
とにかく慣れない作業で、ネットで検索しまくったりして、これでいいのか不安だし面倒でした。
学生ビザの場合は(他は全く知りません)、大学院などの教育機関からのオファーを受け取っていて、肝心のビザが下りないという話は聞いたことないので、「大変だけど最終的に上手くいく」と考えればいいと思います。もちろん私も当事者の時はそんな余裕はなかったですが...。