息子が年末年始に病院の世話になった話は以前書いた。
その後GPを受診して専門医specialistに紹介になったことも書いた。
で、先日専門医を受診し、いくつか検査を受けてきた。
これで、救急、GP、専門医受診というオーストラリア医療の王道?を一通り経験したことになる。
なので受診までの流れ、費用や保険のことなどをまとめておこうと思う。
受診した病院・時期
今のところ息子が病院に行ったのは以下の4回。適宜追記予定。
それぞれについて流れを書いて、最後にまとめて保険・お金のことを書く。
1. 救急
病院事情が分からなかったので、webで「emergerncy department, paediatric」(=救急+小児科)と検索。出てきたこちらを参考に近くの病院に行った。(結果、友人が勤務している病院だった。)
比較的すいておりスタッフも揃っていると聞いていた朝8時に受診。待ち時間も少なくトータルで1時間ちょっとで終了した。
<当日の流れ> 詳細は上記の過去記事を参照
もちろん予約不要。
救急外来入口でコロナのスクリーニングを受け、中に入り受付に並ぶ。
受付でトリアージナースに問診や軽い診察を受ける。ここで緊急性が判断されてどの患者を先に治療すべきかが決められる。息子の場合、緊急性は高くなかったはずだが、すいていたのでその後の待ち時間は少なく済んだ。
数分待つと担当の救急医が自己紹介に来て、レントゲン撮るから待っててと伝えられる。その後、用意された鎮痛剤を受け取り、飲ませる。
レントゲン待ちの間、初診だったので事務の人に呼ばれて名前や住所、GPなどを聞かれた。保険証も提示した。そこで診察料の説明も軽く受けた。
しばらく待ち、レントゲン撮影。撮影後は少し離れた診察室で待機。すぐ横で医師がレントゲンを確認し、話し合いをしていた。医師の説明を受けて終了。処方はなしでドラッグストアで薬買ってねと言われた。
救急外来の場合、かなり具合が悪いのであればRoyal Children's Hospital (RCH) に連れていくのが多分正解。もちろん、もっと命に関わる状況なら救急要請だけど。
ただ、RCHはトリアージで緊急性が低いと判断された場合、死ぬほど待ち時間が長いらしい。待ち時間5時間とか8時間とかいう体験談を聞いてびっくりした。
2. GPから専門医への紹介
2週間経ってもスッキリ治らなかったので予約をしてGPを受診した。
この際、救急を受診した際のカルテはGPの手元に届いていた。救急外来でGPの名前を聞かれたのはそういうことだったのかと納得。便利なシステムだ。
診察の結果、専門医へ紹介されることになった。
紹介先の選定は患者ではなくGP(正確にはクリニック)がやってくれた。紹介状もオンラインで専門医へ送付。印刷されたものも一部手渡された。宛先は病院はもちろん医師の名前まで指定されている。要はこちらで好きに病院を決めることはできない。もし希望があればGPにそれを伝え考慮に入れてもらうのが良いのだろう。
同僚のローカルに聞くと、自分で病院に電話をかけて紹介状を送付、コンタクトを取るパターンもあるようだ。違いはよく分からない。
その後は①専門医のいる病院が紹介状を元に患者のトリアージを行う→②病院から電話かメールでコンタクトが来て予約を取る、という流れ。
今回は②の連絡が来るまで2週間程かかった。なかなか連絡が来ず早く受診したいと思い、病院に直接電話したり、同僚に色々聞いて回ったり、GPクリニックに相談したりした。
結果、分かったこと・起こったことをまとめると、
- 病院も大量の紹介状を受け取っており、そもそも紹介状を開くまでに2週間ほどかかった
- 今回はRCH付属のprivate clinicへの紹介だった。GPクリニックがpublicだと時間がかかりすぎると判断しそのようにしてくれたようだった。
- GPクリニックが紹介先に確認したところ、予測待機期間は3〜4ヶ月!と言われたらしい。長すぎ!と思うが、privateなのでまだマシでpublicなら半年以上は待つことになるだろうと言われた
- 同僚オージーには「通常privateなら1〜2週間ぐらいで受診できるのが普通だからちょっと長すぎだよね」と言われた
- そもそもの小児科不足?コロナの影響?、さらに今回は一般小児科医general pediatricianではなく小児膠原病医pediatric rheumatologistという専門性の高い医師に紹介になったというのが背景にあるようだった
- GPクリニックがもう少し早く受診できるところを探してくれたが見つからなかった
結局GP受診から2週間ほどしてSMSで「電話してください」と連絡が来た。
電話をすると、事務の人が対応してくれて、
「担当の〇〇先生は月1回しか来てないわね...多分数ヶ月待ちになるわ。空き状況を見てみましょう。...えーっと...明後日はどう?」
え、急に!?あ、え、まあ行きます。はい。
という感じで受診日が決まった。たまたまキャンセルで空きが出たんだろうか。
何はともあれ予定より早く受診できることが決まってよかった。
長くなったので続きは後編で。
ここまでのまとめ
とにかくオーストラリアの医療機関受診のハードルの高さを思い知った。
今すぐ診てくれとは言わないが、日単位で症状に変化があるのに受診まで数ヶ月かかるとかちょっと勘弁してほしいというのが日本人的感覚。
息子の病状に対する不安に加え、private clinic受診に伴う金銭的負担の心配もあって、かなりストレスフルな日々を過ごした。
でも医療従事者の立場から想像すると、こういうシステムだからこそ彼らの労働環境が守られるし、コロナ禍でも医療現場が逼迫したりしないのだろう、とも思ったり。
単純にどちらがいいとは言えない。患者としては日本の方がありがたい、と言えばそうなんだけど、例えば小児医療に関しては、病院行って薬をもらう方が薬局で風邪薬買うより安い、なんていう意味不明なことも起こっているし、日本にも変なところはいっぱいある。
個人的には日本とオーストラリアの間ぐらいがちょうどいいような気がしている。
後編で専門医受診以後のこと、お金のことを書く。