今日は先週の話。
先週はラボで体調を崩す人が続出し、自分の関わる実験が半分以上キャンセルになった。スカスカのスケジュールになったので、ライティングに励んでいた。
以前にも書いた通り、thesisのliterature reviewに取り組み始めたところ。
一旦構成を考えた時点で提出するように言われていて、提出したのが6月の初め。ボスが多忙なため返信を受け取るまで5週間ほどかかった。
さらに、まだ話を出来ていなかったco-supervisorを交えたミーティングがあり、その人の提案もあり大きく実験計画が変更になった。(3週間ぐらい前の話)
それに合わせて構成も再度練り直す必要があるが、いつまでも待っていられないので書けるところから書き始めることにした。
しかし土日も含めて丸5日ほど使ってかけたのは...1500words弱。予想はしていたが全然筆が進まなかった。
書いているところはまだ導入部分で、臨床研究のデータを提示するのがメイン。日本で働いている時に読んだことがあるor聞いたことがある研究がかなり多い。だから書けない理由は知識不足というよりは英語、それからacademic writingの力の問題だと思う。
馴染みのない基礎研究のデータをまとめるセクションになったら一体どうなってしまうのか、と不安になる。
Literature reviewはstory tellingでもあるとボスにも言われたが、確かにその通りで、全体の文脈やコンセプトをきちんとカバーしつつ、沢山ある研究を取捨選択して、自分の研究の意義を提示できるようにする必要があるんだと思う。
…まあ難しい。
あとまだよくわからないのはplagiarismのこと。
できる限り自分の言葉で書くのは当然だが、母国語でない以上、どうしても他の論文での記述を参考にすることになる。
特にこの領域はoriginal article、review問わず良い論文がたくさんあるので、「うわあこの部分、自分がまとめたいことが上手に書かれているなあ」ということが多々あるので悩ましい。
他の論文の記述に引っ張られすぎず、でもちゃんとした英語で書かないといけない。
そういえば自分の大学ではthesisの提出前にplagiarism checkerを使用しろとどっかに書いてあったので(他大学や他の提出物も同じなのだろうか?)、試しに大学のHPで推奨されていたiThenticateというソフトウェアを使ってみたが、正直よく分からなかった。
何人かこの件をどうアプローチしたらいいんですかね?と軽く尋ねてみたが「とりあえずコピペしてそれをパラフレーズすることから始めれば良い」という人(ちょっと極端に思うが)もいたし、「reviewを読んだ上で原著論文を読み、それを自分でまとめ直せば良い」という人もいた。
なんだか分かるような分からないような…。
ということでwritingはかなり修行感があるぞ、と思った。
やっていくうちに少しはスピードアップして、要領もある程度は掴めてくるのだろう(と信じている)。Thesisで苦労するのは非英語圏の大学院生に限らず世界共通のようなので、この修行を通して英語でのacademic Writingのスキルが上がると嬉しい。
ついでに、せっかくなのでwritingのための参考書を紹介する。オーストラリアで紙媒体で持ち込んだ数少ない本たちの中の3冊。留学が決まって読み始めて(流し読み)、こちらにきて少しずつ読み進めている。
オリエンテーションウィーク
もう1つ、先週はセメスター2のオリエンテーションウィークだった。
自分より少しだけ早くPhDを始めたラボの同僚(オーストラリア人)を誘って会場へ繰り出して、軽食と飲み物をゲットした。
大学1年生っぽい若々しい人がたくさんいて楽しそうだった。
ただ、正直言うともっと色んなイベントをやってて、フリーコーヒーとか山ほどあるのかなと期待していたが、規模は予想より小さかった。
ただ、海外からの学生向け、PhD学生向けのサービスが色々あることをいくつか知れて有用だった。(医療サービス、スキル系のセミナーなどなど。)
中でも印象に残ったのはThesis Boot Campとかいうイベント。年に1、2回、週末に缶詰になってひたすらthesisを書くイベントらしい。参加者は朝昼晩ご飯が提供されるとか。博士課程の後半になったら参加してみようか。
あともう1つよかったのはオーストラリアの同僚と色んな話をできたこと。
彼はPhD終わったら医者になりたいらしい。そもそも医学部に進学できるかわからないし、今24歳で(若い!)ストレート(PhD3.5年、医学部4年)で行っても医者になるのは32、33歳でそれも心配だと言っていた。
ちょうど今の自分と同じ年齢だなあと思って聞きつつ、「全然問題ないよ、なんでもできるよ」と励ましておいた。(日本でも社会人や他学部を経てから医学部に来る人は結構いるので、本当にそう思う。)
現地人だし、明るくていつも楽しそうだなと思っていたが、やっぱり悩みはあるんだなと親近感が湧いた。
Mentorとの面談
あともう1つ、mentorとの顔合わせがあった。
これは所属する研究機関のメンターシッププログラムの一環。supervisorやラボメンバーとは別にアドバイスを求めたりできるmentorを提供するというシステム。
mentorもearly-mid careerの研究者なので、mentee(PhD学生)も相談しやすいし、mentor側も後進を指導する経験が積めて双方にメリットがあるようにできている。
事前に簡単なプロフィールや希望を提出し、それに沿って勝手にマッチングされるシステム。
全体の顔合わせにはmentorは参加していなかったので個別に連絡をとり面談した。
私のmentorは10年ぐらい前にPhDを終え、最近他大学からこちらへ来てラボヘッドになった女性だった。子供が2人いて、3人目を妊娠中のようだった(お腹が大きかった)。
子育てしながらこの若さでラボのトップになるとは、、、オーストラリアの環境がすごいし、彼女自身も相当優秀なんだろう。
色々質問をされて、ラボの人との人間関係は幸い問題ないですとか、writingは大変そうだけど頑張りますーとか、いわゆるimposter syndrome状態だったけど最近ようやく少しはマシになってきたとか、そんな話をした気がする。
自身の経験を教えてくれたり、アドバイスをくれたりして短いけどありがたい時間だった。
今後も1ヶ月に一度ぐらいやり取りをしましょうとなったので、せっかくなので色々相談をさせてもらうつもり。
長くなったので今日はこの辺で終わり。