集中治療医のStudy Melbourne

麻酔科系集中治療医が家族4人でオーストラリア・メルボルンへ博士課程留学!初めての海外研究生活、メルボルンライフの模様をお送りします!

家族のいない1週間

日本からオーストラリアに戻ってきて1週間が経った。実は妻と子供2人はまだ日本から帰ってきておらず、束の間の1人暮らしをしている。

 

短期間でも1人暮らしになるのは3年ぶりぐらい。

 

前回はコロナ騒動が始まった時で、緊急事態宣言とかでバタバタする中、コロナ患者の診療もしていた私は自宅に残り、息子の出産を控えた妻と娘は予定より早く里帰りしていた。記憶が薄れつつあるものの、特殊すぎる状況での緊張感とストレスで気分の浮き沈みが激しかったことは覚えている。あとは、ちょうど出願準備(主に書類集め)の佳境でもあったが、「それどころじゃないでしょ」となるかと思いきや、イベントや飲み会類が軒並み中止になったおかげで逆に作業が捗った記憶がある。

 

今回は久々の一人暮らしで「たまにはこんなのも気楽でいいなー」と思っていたけど、4日間ぐらいで飽きて、今は家族の帰りが待ち遠しい。明日空港に迎えに行くのが楽しみ。日本滞在と束の間の一人暮らしを通して、どうやら自分は「日常」を大事にする性格らしいということもよく分かった。

3個10ドルで買った冷凍食品(カレーやパスタ)で過ごす1週間。身体に良くない。

論文を書かないと

そんなことをぼーっと考える毎日でなかなかエンジンがかからないが、気づいたら今年も2ヶ月半しか残っていない。いつまでも旅行気分を引きずってはいられない。

 

今の私の直近の目標は帰国前に終えたプロジェクトの論文化。帰国前の2週間ぐらいでMethodsを書いて送り、ここ数日でIntroductionを書いてボスたちに送った。合間にやり残した結果の解析をちまちまやり、いよいよResultsを書き始めようかなというところ。膨大なデータをどうやってまとめたらいいか分からん、と思っていたが、図表のプランをボスたちと話してたら行ける気がしてきた。統計のことを学びつつ解析ソフトと格闘しながら進めている。

 

と、偉そうに書いてるが、どうにも調子が出ず本気を出せば1日で終わりそうなことを3日ぐらいかけてやっているだけ。

実験も再開しないと

復帰後はひとまずラボの他の人の実験を手伝うことから再開している。

 

ストップしている自分の実験もぼちぼち再開しないといけないが、残り2ヶ月で2回も学会の中断が入るし、論文も書かなきゃいけないので、無理やり実験をスケジューリングする気になれない。(こう書くとただのやる気の問題な気がしてくるし、実際その通りかもしれない。)

 

これだといつまでも再開できなくなりそうなので、とりあえず外部から応援に来てくれる研究者に「そろそろプロジェクト再開したいんですがどうですか?」とメールすることから始めてみた。どんだけ腰が重いんだ...という話。

学会発表

今月末には学会でアデレードに飛ぶ予定。オーストラリア・ニュージーランドの3団体の合同学会で、ワイナリーで有名なアデレードヒルのど真ん中で行われるらしい。

 

提出したアブストがよく書けていたようで、ありがたいことにPhD Finalist(優秀演題)に選ばれた。ボスからはせっかくなら1位獲れ!と言われたが、今の自分のプレゼン力・英語力では厳しいのは間違いない。ラボ内のPractice talkでしごかれて本番でいいプレゼンが出来ると嬉しい。

PhD後に向けて動き始める

11月頭でPhD開始後1年半、つまり最低期間3年の折り返し地点に到達する。そろそろPhD後のキャリアに向けて動き出さないといけない。

 

私の場合はPhD後は(研究を続けつつ)少なくとも数年はオーストラリアで医師として働くつもり。ただ、医師免許や専門医資格を書き換えるのは果てしない手続きが待ってるようだ。

まずはちゃんとした情報収集と書類集めを始めることにした。IELTSももう一度受けないといけないのでぼちぼち勉強を始める予定。

日本の学会活動

少し前の記事でも触れたレジェンドボスのインタビュー。

taku-fcb.hatenablog.com

他の3つの動画も含めて素晴らしい内容だったので、企画してくれた学会に少しでも貢献したいという気になって、「U35」なる若手グループにに参加することにした。(年齢で区切るのはどうなの、とかいう話は置いておく。)

 

Slackで自己紹介したら早速反響があって、研究留学に興味のある人たちに向けてZoomで話をする機会をもらった。

海外にいることもあり実地で貢献できることには限りがあるけど、国際交流の促進もテーマに掲げているようなのでその点で関われるといいなと思っている。個人的にもヨーロッパの学会との繋がりができたらかなりありがたい。

2年目の余裕?

ということで、今はまだ心に隙というか余裕が少しある状況。

 

一番の理由は実験が忙しくないからだが、帰国前にPhDの一大プロジェクトを終えられたこと、論文を1本出せたこと、日本で友人や家族と話したり励ましてもらったりしたことなど、1つ1つは小さいがそれらが確実に効いている。常に追い込まれていた1年目を思い出すと随分マシになったと思える。

 

今後また実験や発表準備に忙殺される時期も来るとは思うが、去年のようにそれだけに囚われて肉体的にも精神的にも追い込まれる状況は避けたい。

 

というのも、上にも書いたが、PhD後のキャリアを考えるともう少しsocialな場でのネットワーク作りに注力しないといけない。せめて何か爪痕を残せるぐらいにはなりたいけど、現状ではシャイさが勝ってしまってなかなか上手くいかない。もちろん英語力の問題もある。初対面の研究者と話が続かなすぎて辛い。PhDの後半戦はこの辺に労力を割くだけの余力を残しておきたい。