10月末のアデレードでの学会に続いてもう1つオーストラリアの国内学会で発表してきた。
アデレードの学会は遠方だったこともあり合宿さながらの過酷な旅だったが、今回は大学内の会場なので楽チン。
去年は発表なしでこっそり参戦したこの学会。規模こそそれほど大きくないものの、重鎮たちはNEJMやらJAMAやら超一流医学系雑誌に論文を出している人たちばかり。それでいてかなりアットホームでsupportiveな雰囲気の良い学会。
私はアデレードの学会に続きPhDオーラルのfinalistだった。発表順は4人中2人目。
発表内容は前回とほぼ同じ。前回で多少感じも掴めたし大丈夫か思いきや、本番前はかなり緊張した。(いつかリラックスして話せる日は来るのだろうか?)
しかも今回はpresenter viewが使えないことが直前に発覚。そんなのあり?まだまだ英語プレゼンに慣れない私はしっかり原稿を作るスタイルで臨んでいる。ほぼ頭に入っているとはいえ、保険としてpresenter viewがあるかないかは大違いなのだ。
発表中に頭真っ白になったらどうしようと心配しながらなんとかプレゼンをやり遂げる。
理想には程遠いが感触としてはアデレードの時よりマシになってる。下手くそな分伸びしろがいっぱいあるのがいいところ(ポジティブ)。
しかも今回はラッキーなことに、質問3つ全てが事前に想定していたものだった。それぞれ丁寧に答えて無事終了で一安心。
同僚PhDからは「これまでの君のプレゼンでは間違いなくベストだった」と言われて嬉しかった。
別の同僚からは「途中めっちゃジャパニーズアクセントになってて萌えたわ」とイジられた。
そして結果、
Best presentation award獲得!!
前回は2位?敢闘賞?みたいな感じだったけど今回は正真正銘の最高評価。
ちょっと自分でも信じられない。
PhD開始間もない頃、PhD1年目の若い学生ですらプレゼンがとても上手くて驚いたのを覚えている。
「うちのラボは結構タフなpractice talkしてるからプレゼンも上手くなるよ。学会で賞取ってね!」と言われたが、正直自分には縁のない話だと思っていて、その代わり良い論文を出すのが自分の目標だった。
半年のpre-confirmation前のpractice talkは未だにトラウマレベルの酷い出来。
それが気づいたらこんなことになってた。
正直実感はあまり湧いていない。自分の力というよりほぼラボのお膳立てで取れたような気しかしない。でも冷静に考えると「ラボのおかげ」だけでは説明できない要素があって、これは流石に自分を褒めても良いやつかもしれない、と思っている。
ちゃんと研究して、ちゃんと準備をすれば、良い発表ができて評価してもらえるんだ、と。
海外行きのチケット獲得
さらになんと、この賞の受賞者は来年9月のイギリスでの学会にInvited speakerとして送り込まれるのだ。しかも費用の大半は学会持ち。ついでに現地のラボ訪問も強く推奨されている。どうやら学会を代表して交流してきてくださいということらしい。
自分がInvited speaker??ラボ訪問したらそこでもラボメンバー向けに発表があるのでは??ちょっと意味が分からない。
不安になって速攻ボスに「付いてくる気ある?」って聞いたら「いや行かないよ。無理。」と即答された。やはり単身乗り込むことになりそう。
今から不安しかないが(前回の記事でも書いた)自分の中の「学生感」を払拭して、独立した研究者になる第一ステップになる良い機会かもしれない。大恥かいたとしても唯一無二の経験になるから良いか、と考えることにする。
改めて、オーストラリアに来たおかげで日本にいたら絶対見れなかった景色を見れている。本当に幸運でありがたい。
ちなみに今回の学会ではECR(PhD後10年以内の研究者)のBest presentationもうちのラボのポスドクが獲得。彼女は同様に米国の学会に送りこまれる。主要な賞をうちのラボが独占してボスもめちゃくちゃ喜んでいた。少しは恩を返せたようで何よりだ。
論文化への長い道のり
次にやるべきはこの研究の論文化。
どんなにいいプレゼンができても、論文化できなければ実験してないのと同じなのだ。
以前から書いている通り、こちらはかなり苦戦中。
先週ようやくボスたちとのミーティングの時間が取れたが、解釈が難しく、一旦グラフなど一式作り直すことになった。
来年の中頃にpublishされることが理想だが果たしてどうなるだろうか。